次の世代へ
報告が遅くなってしまいましたが・・・
12月10日。
とある
一つの木箱が到着しました。
その木箱には
「AQUAS(アクアス)」の字!
遠くはなれた島根県にある水族館「しまね海洋館アクアス」から
はじめまして~。。
名前は「じぇじぇ」くんというそうです。
2013年生まれの若いオス。
ほんとは「JJ」らしんですが、当時やっていた朝ドラが大人気で、
「じぇーじぇー」ではなく、「じぇじぇ」になったとか。
ということは、じぇじぇくんが東北の水族館に来たのも、なんだか縁を感じますね!!
じぇじぇくんは健康チェック終了後に展示場にデビュー予定です。
翌11日朝。
昨日
じぇじぇくんが入ってきた木箱の横にはもう2つ別の箱が。
青い箱には
イワトビペンギン。
このたび、GAOから旅立つのは
イワトビの
シロナシ夫妻(タグ白(オス)とタグがついていないメス)と
GAOで
2013年に生まれ育ったオスの「ドッグ」くんです!
じぇじぇくんとドッグくんは簡単に言うと「交換」です。
2羽ともそれぞれ水族館で生まれた個体です。
GAOにはドッグくんの兄弟姉妹がいます。
順調に繁殖が進むのはいいことですが、同じ血筋の個体が増えていくと
将来的に血縁がある個体同士でペアを組んでしまう可能性があります。
そうなってくると、いわゆる「血が濃く」なってしまいます。
さらに同じ血筋の個体ばかりだと・・・どんどん濃くなっていってしまいます。
次世代に何かしらの影響が出てきてしまうことがあるんです。
それを防ぐために、今回この交換が実現しました!
アクアスもGAOも、それまでいなかった血筋の個体が入ることで
将来的に移動先の施設でペアを組んでくれると
それまでなかった「血筋」が誕生します。
言ってしまえば、実際確かに「交換」ですよ。どうやったかといえば
輸送箱に入って飛行機に乗って車で運ばれてきたんですよ。
ですがその移動が、大きな意味を持っているのです。
そしてイワトビのシロナシ夫妻ですが・・・
これまでGAOで合計10羽のヒナを育てたベテランです。
ペアにもなってるし、どうしてアクアスへ?と思っている方もいるのでは??
これには狙いがあります。
この写真。
実は右にいる2羽は、ペアでもなんでもありません。
ですが、左の子育てしているペンギンの様子をしっかり見ているのです。
(後から気づきましたが、このヒナにエサをあげているのがまさにシロかナシでした)
現在アクアスには、神奈川県の京急油壺マリンパークからの個体と
当館からの個体がいます。京急油壺マリンパークの個体とGAOの個体で、
アクアスでペアを組んでもらい繁殖につなげる。
3館の間では現在このようなイワトビペンギン繁殖計画を行っています。
アクアスにいる個体はいずれも若く、繁殖経験はありません。
繁殖には、もしかしたら
「見る」ことが
大切なのでは?と思ったわけです。
「見る」ことが学ぶことに繋がる可能性もあるし、本能が目覚めるきっかけに
なるかもしれない。。
実際これまでペンギンを見ていると、産卵抱卵子育てをしているペアの様子を
若いペンギンたちが観察している場面が多々みられました。
ということで、当館のペアが
若い世代の手本になるべく
アクアスに出張することになったんです!
こういう、「お手本」の意味でペアを出すことが
果たしてどういう結果になるのか
意味を持つものになるのか
それはすぐに答えは出ませんが・・・
あ、そうそう
というわけで、わたくしついていっちゃいました。(だから遅かったのか~とか言わない!!)
言っておきますが、後からこの車に乗り込んだわけではありませんよ。
自分は自分で、別の車で、ついていったんですからね。。
3羽到着の様子は次回お伝えします。