きらきらユキさん
現代の技術では
ホッキョクグマが妊娠しているかどうかを
事前に知ることはまずできないとされています。
妊娠している可能性がある兆候として
「妊娠しているメスは毛が輝く」ということを
聞いたことがあるのですが
けっこう輝いて見える
ユキさん。
2023年もあっという間に10月に入り、一気に涼しくなりました。
春に豪太とユキに交尾行動が確認されたので、妊娠・出産の可能性有と
考え、これから産室の用意を進めていきます。
ホッキョクグマは妊娠しているかどうかを事前に判定することが
非常に難しい生き物です。
とても大きな体の生き物ですが、生まれてくる赤ちゃんは500グラムと
ひじょ~~に小さいです。
また、かわいい生き物であることは確かですが
危険な動物であることも確かです。おいそれと容易に
近づくことはできません。頻繁な検査も難しいです。
等々の理由から、交尾が認められた場合
妊娠している可能性がある と判断し、出産のために
必要と考えられる環境と、近くに行かなくてもヒトが
観察できる環境を用意します。
野生下で出産を迎えるメスのホッキョクグマは雪を掘って
巣穴を作り、その中で出産・子育てをします。雪の巣穴から
出てくるのは生まれた子グマが歩けるようになってから。
ですので、巣穴に籠りはじめてから外に出るまで、数か月間は
母クマは絶食状態です。
GAOでは産室等の環境を整え、出産時期が近くなると
メスの行動範囲を、出産のために整えられた狭くて暗くて
静かな「産室」と一部のスペースに制限し、かつスタッフも含めて
その近くのエリアに立ち入らないように
します。まあこのあたりは順に紹介していくとして・・・
飼育下であれ、ヒトが立ち入らなくなるので
ユキさんはもう少ししたら絶食期間に入ります。
そのため、ユキにはエサをたくさん食べてもらい
体力を蓄えてもらう必要があります。
ちゃんとエサを食べているか、先日からこまめに
体重をチェックしています。
ユキが乗っている銀色の鉄板の下に体重計が設置されています。
(CFご支援いただきありがとうございます!)
あ、前脚壁にかかってると正確に測れないのですが・・・
う~ん、お鼻が壁についているのです、ユキさま!
(そんなに変わらないでしょと思われがちですがこれが
数キロの差を生む)
ごちゃごちゃうるさいわねえ・・・
あ~ユキさんもうちょいバック!
今です!!
とかやりながら完全に全身体重計に乗り切ったときの
数値を見るわけです。
ちなみに今日(10月8日)は309㎏でした。
外見も
わりとふっくらまるまるしています。
香箱ユキさん。
今年の夏は暑い日が多くて、日中もエアコンの効いた裏の部屋にいることが
多かったのですが、最近一気に涼しくなって外で過ごすことが多くなって
きました。
不確定要素も多い状況下ですが
願いながら粛々と対応していきますので
見守っていただけると幸いです。
さて、冒頭の「毛が輝く」の話ですが・・・
豪太の毛もなかなか輝いてると思います。
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