お知らせ~みずきの出産について

「お知らせ」にもありますように、

ゴマフアザラシのみずきが3月29日出産するも
残念ながら赤ちゃんはすでに死んだ状態、「死産」でした。

その後、みずきはしばらく赤ちゃんのそばから離れずにおり、ずっと陸にいたため
しばらくそっとしておきました。

翌日になるとみずきは次第に赤ちゃんから離れ、プールを泳ぐようになったため
みずきが離れたときに赤ちゃんを展示場から出しました。

みずきは初の出産だったため、何がどうなるのか不安でしたが
結果死産となってしまい、とても残念です。

出産後、赤ちゃんから離れないというのは母性の現れとも考えられます。
みずきが子育てできるのか、という点でも不安があったのですが
見ていたスタッフの話だと、育てそうな雰囲気だったということでした。

死んでしまっていたならすぐに離してもよさそうですが
死んでいる(=育てたくても育てる必要がない、育てられない)ことを理解しないまま
まだそばにいたいのに無理に離そうとすると、次に正常に出産をしたのに
母親が「子供から引き離される」ことをあまりに恐れ、子供をとられまいと
過剰に警戒し、その結果子がケガをしたり、母親の意識が子育てよりも「子を取り上げられない
ようにする」ことに傾き、落ち着いて子育てができなくなってしまうことがあると
考えられます(と判断しました)。
そうなってしまうと、子供のほうにもストレスがかかってしまい、ちゃんと
成長できない可能性もあります。
特にみずきは初産だったため、今後のことも考慮しなくてはいけませんでした。

我が子を取られないように、離れないようにという行動は
子を守るという本能の現れですが、それがどう作用するかが
人の判断で変わってくる可能性があります。

自分は以前この話を他の水族館の方から他の生き物のケースで教えてもらいました。
その場面を知るかどうかなんてまだ分からないような自分に
この話をしてくださった方には感謝してもしきれません。

その時はやっぱり今より真剣に考えることはできずにおり、
実際生き物の誕生と死の場面を知るようになり
その場面を見るごとに
生き物がいる施設がしなくてはならない判断の重さが
増していきます。

正常に出産し、子育てをしていることに
こしたことはありませんがそうでなかったときにどうするか見極めて判断することは
とても難しいですし、判断一つでその生物の未来に良くも悪くも影響を及ぼします。

一番良いことは、正常に出産し、子が正常に成長することであり
そうなるよう人側ができる限りの準備をしておくのはもちろんなのですが
そうでなかったときの対処もできるように
時期の繁殖期には今回のケースも踏まえ、今以上の万全な準備をしておきたいと
思います。

3月31日、現時点でもう1頭のこまち嬢は
まだ出産しておりませんので
こまち嬢の無事出産を願っております。

ちなみに、みずきですが
今日エサを与えてみたところ、ちゃんと食べてくれました。
みずきの健康状態には問題なさそうです。

 手前がマリーさん。
マリーのとなりで、準備したエサをすべて食べてくれましたよ。
数日間食べていなかったので、少しずつ通常の量に増やしていきます。

 とりあえず、
みずき、お疲れ様でした。
ゆっくり休んでね。

※アザラシのえさのじかんはしばらくの間お休みとさせていただきます。
 また、こまちの今後の出産に備えて、アザラシ展示場の一部立ち入りを
 制限させていただいております。ご了承ください。

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