台への気持ち
おねえさん、あたしは
スタンバイOK!
まずは
こっちのヒレ。
こっちが
できたら、
もうかたっぽも!
そうそう、
こうやってね、
ぱたぱた
させるんだよ~。。
カリフォルニアアシカたんぽぽ、「拍手」を習得しそうなのです。
ある種目を教えることに定まった方法はないのですが、たんぽぽは
両前ヒレでそれぞれ握手やバイバイができているため
同時に動かして「拍手」らしきものができないかと
練習しているのです。
練習している本人・・・本アシカも、ずいぶんやる気があるようで
「顔がマジ」なんだそうです(担当者談)。
おねえさん、
あたし、がんばる!!
おっとっと。
あんまり前に出すぎちゃった!
でもあたし、
こんなことで
へこたれないもん!
おねえさん、次!
こうして
こうでしょっ!
公式デビューも、近そうだな・・・。。
動物に特定の動き、姿勢を形づくっていく方法に
これ!という手順書はありませんが
うまくいったときにはうれしいものです。
動物の種類によりますが、人間側が「やったー!」と喜んで
楽しそうにほめると、ほめる気持ちやうれしい気持ちは伝わるのか
「楽しいの?!」と
なんだか意気揚々とする個体もいたりします。(と思っている)
そして次のタイミングには、それまでできなかった体勢が
とれるようになったりします。
達成感、というものは、人だけではなく
他の生き物にも存在するものなのでしょうか。
もちろん、気分が乗らないときだってあるわけだし
苦手な姿勢ややりたくない行動もあるでしょう。
そういう気持ちを察することができるのは何であれ
その生き物の担当者であり
そうでなくては「自分がこの生き物の担当者です!」
なんて言えないわけです。
こういう練習を見たりやったりしていると
ふとこんな風に答えの出ないことを考えたりするのですが
はたして動物側はこの時間をどう思っているのか。
知りたいような知りたくないような・・・。
たんぽぽが乗っている白い台はいわゆる
たんぽぽの「席」です。
学校で自分たちの座席が定められているのと同じです。
この台が、基本です。
ここで始まり、離れてもここに戻り、人がここでいろいろな技を教える。
たんぽぽの席です。
が。
ヒトがここで種目を教えている時間、たんぽぽって
どう思ってるんだろう・・・
めんどくさ~いとか、ここ嫌い!とか
思ってるんでしょうかね・・・。
某日、写真同様
拍手を
練習中のたんぽぽと担当者、及び見学者1名。
「イスと台、近すぎたね。」
「そーですねー。じゃあたんぽぽスタンド(客席)につれていくので、
そのときちょっとだけ下げてもらえますか?」
てなわけで
2人が
スタンドに行っているすきに、台をちょっとだけずらします。
ちょっとだけ動かそうと・・・
音で
気付くたんぽぽ。
視線を
感じる見学者。
たんぽぽ
見学者に怒る。
たんぽぽ
今までに最速でスタンドを駆け下りる。
たんぽぽ、
台を奪おうとしていた見学者に(別に奪おうとしていたわけではないけど)
睨みを利かせ
怒る。
その後
担当者とはびしっと練習するが、ときたま見学者をきつくにらみつける。
・・・結局なんにもしてませんよ、私・・・。
最終的に物陰に隠れて見守ってましたけど。
大丈夫だろーと思って途中で台を動かそうとしたのは
未熟でしたねー。
自分の席取られる!とか思ったのでしょうか。。
このあと思ったのですが
たんぽぽが、この台に対して執着をもっていてくれたことがうれしかったです。
もしかしたら、自分の物が他人に取られる!とか
もっと単純なものかもしれませんが
なくなっても特に何とも思わない、というような
ものではないことに
うれしさを感じたことは確かです。
あの台で担当者と行う練習の時間が
たんぽぽにとって少しでもプラスに感じられるものになっているのであれば・・・
そうであってほしいものです。
翌日、自分がたんぽぽにエサをあげに行ったのですが
ちょっと怪訝そうにしながらも食べてくれてよかったです・・・・・。
※このサイト内の画像の無断転用・転載を禁じます。