再び海へ 2017年8月20日
祈りましたよ。
晴れますように晴れますようにって祈りましたよ。
見よこの
青空!
海!!
8月20日、いよいよウミガメ放流会です。
お伝えしていますように、今年の企画展
「小笠原」が開催されるきっかけとなったのは
この
アオウミガメのおかげ。
2016年冬に保護されたこのアオウミガメの後ろのヒレには
標識が
ついていました。
この標識から、このアオウミガメは2015年に小笠原の父島にある
「小笠原海洋センター」から放流された個体であることがわかりました。
そのニュースを見た小笠原の観光に関わっている方が連絡をくれて・・・
男鹿で小笠原の企画展が可能になったわけです。
君が来なかったら、今年の企画展はどうなっていたんだろう・・・。
天気も良く、予定通り今日8月20日
ウミガメ放流会を行うことができました。
今回はこのアオウミガメだけではなく
2016年に男鹿市内で保護された
こちらの
アカウミガメも放流することに。
だから「アオウミガメ放流会」じゃなくて
「ウミガメ放流会」なんです。
実は昨日
アカウミガメを
放流する男鹿市のご家族、
アオウミガメを
放流する・・・というか、一度放流したご家族が
それぞれに会いに来てくれていました。
「一度放流」ということは・・・実は今回が2度目の放流。
そうなんです。こちらのご家族、
2015年7月。
このアオウミガメを小笠原父島で放流した人たちなんです。
今回特別に来ていただきました!
この世の中、同じウミガメを2回放流するなんて経験あるんですかね・・・。。
水槽から
移動用の
コンテナに移動させます。
こちら
アカウミガメ組。ウミガメが大好きなおにいちゃんとおねえちゃん。
みんなで
放流地点まで運びます。
今回は特別に、男鹿市北浦入道崎から出ている
海底透視船のご協力をいただき、2隻を貸し切って
それぞれの船で放流することに。
見学の方もたくさん来ていただいた中、
ウミガメ
到着!
2頭の
これまでの経緯をお話していると・・・
分身豪太と
おがじろう(小笠原村観光局公式キャラクター ちょいワル風にみられる
ことが多いが実はすごくやさしいザトウクジラの49歳)登場!
豪太、無理矢理連れてきたんじゃないでしょうね?!
ぼくたちも
ウミガメさんたちの出発を見送ろうと思って。
おがじろうさんも来てくれたんだよ!
ウミガメさん
元気でね。
今回は
「またね」じゃないほうがいいと思うの。
じゃあね~!
ずっとずっと元気でね~!!
いっちゃったね・・・。
これから、どんな旅をするんだろうね。
船は海底透視船なので
こんなふうに
海の底が見えます。やっぱり男鹿の海はきれいだなと
放流ポイントにつくまでは運転手さんのお話と
海のきれいさに夢中です。
放流ポイントは、海流の流れや
網の位置を考慮してもらいました。
それでは
旅立ちです。
「元気でねー!」の掛け声で
アオウミガメは
ダイバーの横を横切って、船の向こうへ
アカウミガメは
一度も曲がることなく、まっすぐに海の向こうへ進んでいきました。
2頭とも、あっという間に見えなくなりました。
正直なところ、自分は
なんとかして放流の瞬間を収めるのだと必死で
海へウミガメが泳いでいって、完全に見えなくなって
ああこれで放流できたなと
ほっとしたような、気の抜けたような
でもどこか安心したような気持ちでした。
船から降りて、振り返ったとき
あの2頭の生き物は、このどこかを
泳いで生きているのかと
この時改めて思いました。
本来いるはずのない季節の海に何等かの原因で迷い込み
もしかしたらなくなっていたかもしれない命が
何かのきっかけでここまでこれたのは
めぐりあわせと言えば聞こえがいいかもしれませんが
誰かが見つけなければ、こうならなかった命。
複雑な気持ちを簡単にぬぐうことはできませんが
わがままなお願いをせずにはいられません。
どうか2頭とも
元気に海を泳ぎ
生きてください。
そして大きくなって
生まれた海で
自分の子孫を残してください。
今回のこの出来事が
2頭にとってどんなことと捉えられているか
わかりませんが
これまで男鹿にいてくれたことで
何かを考えて新しい体験ができたヒトがいることに
感謝したいと思います。
少なくとも、一人は確実に。
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