シーズン到来

2018年も
 来たなあ・・・

3月中旬から、キタイワトビペンギンの産卵シーズンです!!

1卵目が確認されて
あれよあれよという間にみな産卵が始まりまして

現在は10個ほど?確認されています。
あれもっと増えてるかもしれない。。

今年一番産卵が早かったのが
 ここ

バンド色オスが黒、メスがピンクの「クロピ夫妻」です。
私はこのペアがキタイワトビの中で最強だと思っています。
素手で近寄ろうもんなら生傷覚悟で挑まなくてはいけません。
凶暴です。

 こちら

お隣さんのオス青、メス黄色の「アオキ夫妻」も産卵しました。

 ピーちゃん!(右)
君が素敵な相手を見つけることができて、本当によかったよ。
キューさん(お相手のこと)、ピーちゃんを選んでくれてどうもあ・・・

 あんた、
うちのヒトの何なの。

あ、すみません・・・

ピーちゃんはGAOで初めて、ヒトの手で育てられたペンギンです。
親が育児放棄したとかそういう理由ではなく。

キタイワトビは通常、1シーズンに2個の卵を産みます。
1個目のあと3~5日経過し、2個目を産みます。

一般的に2個目の卵が大きく、孵化するヒナも大きいです。
野生下では2個の卵からヒナが孵化しても、2羽とも育つことは
稀だそうです。

産卵した日に差はあるのに、親元で孵化するタイミングは
ほぼ同じ。不思議ですよね~。

卵の中で、「そろそろハシ打ちする?」とか言ってるんでしょうか。

ピーちゃんの場合、孵化して5日くらいまでは親元にいたのですが、
ピーちゃんは1卵目からのヒナでした。
もう1羽のヒナは孵化したときからピーちゃんより大きく、
そうなると成長スピードも速く、あっという間に体格差が
できてしまいました。

ペンギンは親が一度食べたエサをクチバシうつしでもらいます。
そうなると体が大きいほうが親のクチバシに届きますし、
小さいほうを押しのけてエサを食べちゃうこともできます。

やっぱり体重はなかなか増えず、でもまだ元気で
でも体重の減少が見られるようになり
このままいくのであれば
元気なうちに・・・と親元から取り上げ、暖かい部屋に連れて
いったんですよねー。
当時書いた記事こちら

親元から取り出したときの、ピーちゃんを
手にのせたときのことは今でも覚えています。
親から取り出した瞬間、最悪の事態(=死)を考えましたし
これでいいのかと思いましたが

当時は「このままだといずれ成長できず死ぬ」と判断し
2羽いたうちの体重が軽い方を取り出しました。

今だったらどうするかなー。

なるべく、親元にいた方がいいと思っています。
考え方の違いと思いますが、当時は
「大きくならなかったらヒトが育てる」ということに
とらわれすぎていたのだと思います。

ヒトに育てられたペンギンは種的にはペンギンですが
ペンギンが本来行う繫殖は可能なのか。
ペンギンとして自分の次の世代を育むことは可能なのか。
このペンギンの家系は、ずーっと、ヒトに育てられることに
なりはしないだろうか。
後々そんなことを考えるようになっていきました。

「どうすれば、ペンギンに育ててもらい、ペンギンとして大きく
させることができるか」を考えるべきでした。

交代でピーちゃんともう1方を時間を決めて取り上げて
どちらも親からエサをもらえるようにするとか。
(実際ジェンツーペンギンでこれをやったことがあり、2羽とも
親元から巣立ちました)

他にもヒナを育てていたペアがいたので、当時は
ピーちゃん含めてヒナが4羽、ペアが3組だったので
ペア3+ヒト1で、ヒトのもとにいるヒナをローテーションさせて・・・
とか。

いずれにせよ、ピーちゃんの存在は自分にとってとても大きな
ものなんです。

なもんだから、ペアを組んで繫殖したってゆーときにゃ
うれしくてうれしくて・・・

今でも(自分だけにじゃないかもしれないけど)
展示場に入ると、ペタペタと寄ってきてくれます。
それもなくなるくらいになってほしいと思っていながら
その瞬間はうれしくなってしまいます。

 今
卵あるから、動けないの・・・

いやいや、いいんですよーそれで。
ヒトを見たら、ガンガン攻撃するくらいになってくれなきゃ。

さて、GAOでは
キタイワトビは2個卵を産むものの
1個目からの孵化数がとても低いです。

野生では2個うんでもわざと転がしたりすることもあるそうですが
ここは飼育下。
加えて、キタイワトビは国内において数が多いわけでは
決してありません。かつ、高齢化も視野に入れなくてはいけません。

ということで
 1個目を

あったかい箱「孵卵機」にて管理することを試みています。
孵化しそうになったら、ペンギンに託す作戦です。

 1日1回、
卵の重さもはかります。
順調だと、減っていくんですって。
なんか増えそうなイメージあるけどなあ・・・。

卵の表面は、細かい孔が開いていて(もちろん肉眼ではわからない)
ガス交換とか、ちゃんとされているそうです。

順調にいくと、4月下旬あたりからヒナが孵化するのかな?

元気な鳴き声が、展示場いっぱいに響くことを願います。

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