15日から裏側ライフ
2023年秋。
今年もお世話になりました
秋田プライウッド男鹿工場様!
さかのぼること先月の話ですが、ホッキョクグマの産室用のウッドチップを
今回もいただいてきました。
春、ホッキョクグマ豪太とユキに交尾行動が見られたため、
今年は出産の可能性有と判断し、産室の準備をしました。
GAOのホッキョクグマの産室は、あらかじめある寝小屋(動物用の裏の部屋)
の一室の中に木で作りこまれています。
その中にもらってきたウッドチップを敷き詰めます。
野生では、出産を控えたホッキョクグマは雪に穴を掘り、
その中に籠って出産子育てをします。
出産後、子がちゃんと動けるようになるまで親子は外に出ません。
子は母親のおっぱいを飲んで成長しますが、母親は外に出るまで
当然エサはありませんので、何も食べずに過ごします。
これを飼育下で繁殖させる場合、条件が同じような環境を整えなくては
いけません。過去これまでホッキョクグマの繁殖に成功した
施設からの情報をいただき、GAOの産室は出来ています。
チップ敷き詰め後。
わりとふかふかにしてあります。
カメラの調整。
先にあったように、野生では母親は子が十分に動けるようになるまで
何も食べずに子育てをします。また、そうなるまでの母親は非常に
神経質です。人の接近もできません。
ですので、しばらくはユキの姿を直接見ることができません。
出産があった場合もなくても。
音、光、とにかく外部からの刺激をなくすこと。
これがホッキョクグマの繁殖には非常に重要です。
カメラの位置もばっちりです。
ここまでやると、「ユキ、妊娠しているの?!」と思われがちですが・・・
ユキが妊娠しているかどうかはわかりません。
「かもしれない」なのです。
現在、ホッキョクグマが出産する前に妊娠の有無を確認するのは
非常に難しいとされています。
母親の体重が300㎏以上になるのに対し
生まれてくる子グマは500グラム程度。母親のお腹を
外見で見て判断することはできません。
近づいてエコー検査とかすればと思いますが
そもそも危険動物であるため容易に近寄れない。
麻酔をかけて動かないようにすればいいかも
しれませんが、妊娠判定のために
妊娠しているかもしれない個体に
その負担をかけるのか(妊娠していたら)・・・等々
難しいのです。
ですので、
交尾行動があった=妊娠・出産するかもしれない
出産しても大丈夫な準備をしよう
という流れになります。
妊娠しているかどうかは
ユキさんしか知らない・・・
というかユキさんが知っているのかどうかも分からないけど・・・
というわけで、突然のお知らせになりましたが
11月15日からユキの展示を中止することになりました。
15日から、ユキさんには完全裏側ライフをしていただきます。
裏側には、掃除やエサやりのため
数日間スタッフが出入りしますが、これも決められた回数人員で
行います。
妊娠しているかどうかは気になりますが
まずはユキさんが健康にいてくれることが大事ですので
そっと応援していただければと思います。
同日の豪太は
やっぱりおもちゃかかえて寝てた・・・
なにこのみみー!!!
折り畳まってるところさわりたいー!!!!
もふってしたいー。
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