フネダコ といういきもの
「フネダコ」という生物、知っていますか??
フネダコはタコの一種で、大きさが10センチもないほどの生物。
タコの仲間なのですが、メスは殻を作ります。
オスはメスよりも体は小さく、かつ貝殻を持たないそうです。
その貝殻はとてもきれいで、たいへん貴重なものだとか。
先日まで、GAOでもそのフネダコを展示していました!
こちら。
上が貝殻を持った状態のもので、下は貝殻から抜けた状態のもの。
貝殻から抜けることもあるんだ・・・と不安に思っていましたけど、この生物、
わかっていないことがたくさんあるそうです。
タコなのに貝殻があるなんて?!と驚きますが、
そもそもタコの仲間や貝の仲間は、分類的には同じ
「軟体動物」なんです。
確かに。身はやわらかいですからね~。。
今は貝殻を持っていなくても、体の中に貝殻の痕跡を持つ軟体動物は
たくさんいるんですよ。
殻から抜けた状態のものを見ると、
タコなんだな~というのがよくわかります。
なんていうか、こう、8本の腕をぐぐ~~っとして・・・。。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、「先日まで」展示していたんです。
残念ながら、ある日
殻から抜けて、
死んだ状態で見つかりました。
担当のぶるーまうんてん君は落胆・・・。
この生物、もっとたくさんの人に見てもらうことができなかった・・・
見せることができなかった・・・。
と、よ~く貝殻を見てみると!
たまご?!
貝殻の中に、卵が残っていたのです!
フネダコのメスはオスから精子を受け取り、体内で卵と受精させてから殻の内側に
房状の卵を産みます。その後メスは卵に新鮮な海水を送るなどして卵を保護します。
メスは死んでしまいましたが、卵の中で発生が進んでいるかも・・・。
数日後。
卵の中に、
黒いぶつぶつが!
卵の中で発生が進んでいる証拠です。
フネダコが残した卵の中には新しい命が宿っていたのですね・・・。
さらに数日後。
フネダコの赤ちゃん(幼体)が
卵から出てきました!
顕微鏡でしか見えない、ちいさなちいさなフネダコです。
黒いのが・・・やはり目だろうか・・・
もう少し成長したものを見ると、
タコの腕のようなものがはっきり!
「ちょっとグロテスクですよ」とぶるーまうんてん君は言いましたが、ここは水族館ですので、
はっきりと真実を見ていただきたいと思います。
GAOではフネダコの誕生は初めて!
わかっていないことも多いこの生物。
もしも成長を記録できたら、驚くような発見があるかもしれません。
難しいこともあると思いますが、フネダコ達が無事成長してくれるようにと
日々試行錯誤しています。
現在はフネダコの展示はありませんが、ゆくゆくは
小さなフネダコ達を展示して、この生物をたくさんの人に見てもらいたいですね!