再び海へ
「お知らせ」にもありますように、
2012年の11月から2013年1月にかけて秋田県内で発見され、
GAOで保護・治療を続けてきたウミガメ達を海にかえすことになりました!
こちら本日のアカウミガメ小。
すっかり
ウミガメっぽくなっちゃって~。。
でもGAOに到着したときはどんなだったかというと、
こんな状態でした。
保護されたのは冬。本来であれば、もう少し水温の高いところにいるはずの生物です。
卵からうまれて1年以内でしょう。
GAOに到着したときのウミガメたちは皆、あまり動かずぐったりしていました。
その後あたたかい場所で治療を続け、食欲が出て、エサをたくさん食べて、がっしり
成長しました!
こちらは
アオウミガメ。
アカウミガメが5匹なのに対して、アオウミガメは1匹でした。
そして、保護された中で一番大きかった
こちらの
アカウミガメ大。
甲羅の長さは約90㎝、保護されたときの重さはなんと約80キロ!!
80キロもありましたが、実際は痩せており、元気もなく秋田市の下浜海岸で保護されました。
このアカウミガメ大さんもちゃんと元気になりまして、この度再び海へ帰ることとなりました。
大きさを測ったり、血液を採取しました。
DNAを解析することで、産まれた場所がある程度絞り込めるそうです。
また、個体識別番号が記されているマイクロチップも入れさせてもらいました。
このカメたちは2012年の冬から2013年にかけて衰弱した状態で見つかり、
連絡をいただいたりGAOに持ってきていただいたりで当館で
保護・治療していたのですが実はこの他にも県内の海岸で
死んでしまった状態で見つかったりしたものも含めれば17件ありました。
これらのウミガメが発見された時期と同じ時期、青森県から山口県の日本海側の海岸での
漂着件数は死んでしまった状態のものも含めて167件ほどだそうです。
これは例年の5倍以上だそうです。
ウミガメは主に太平洋に生息しており、秋田県内での発見例や漂着例はまれなものです。
アカウミガメは砂浜に産卵しますが、その産卵場所はほとんどが太平洋側。
アオウミガメも砂浜に産卵しますが、沖縄や小笠原諸島といった暖かい地域の砂浜。
日本海側、特に東北で一冬の間にこれほどの漂着・保護例があったことは
今のところ記録にないそうです。
今回の出来事を機に、日本ウミガメ協議会の方から指導・協力をいただき、
全国規模での生態調査に向けた連携がはじまりました。
海流の変化や海の水温の変化、またもしかしたら
これまで知られていなかった産卵場所が発見されるかもしれません。
こういった調査は「ウミガメ」というくくりの生物に関することのみならず
ウミガメに関わっているその他の生物種、環境、地球全体の調査につながっていきます。
長い年月がかかるでしょうが、今地球で何が起こっているのか、人間の活動が
人間以外の生命体にどんな影響を及ぼしているのかが判明する一つの糸口に
なるかもしれないのです。
そしてそれは人間が次にしなくてはならないことを明確に示していくのです。
さて、ウミガメたち放流の日程ですが、
保護されたときと同じ場所に放流します。
7月19日 15:00頃 秋田市下浜海岸にてアカウミガメ大放流
16:00頃 由利本荘市松ヶ崎海岸にてアカウミガメ小4個体放流
7月22日 14:00頃 男鹿市若美漁港にてアオウミガメ1個体放流
海況・天候の悪い場合は中止とさせていただきます。
この場を借りて、衰弱したウミガメを保護し、GAOに連絡を下さった方々、
本当にありがとうございました!
ウミガメたちは再び、海に泳ぎだします。